2008.06.29 Sunday
セミナー報告〜別府先生 講演〜
<別府正志(べっぷまさし)先生>
演題:「西洋医学の不妊治療と漢方の活用」

東京医科歯科大学医学部卒。医学博士。
日本産科婦人科学会専門医。同大附属病院病棟医長、日本女性心身医学会幹事・評議員を歴任、現在、東京医科歯科大学・医歯学教育システム研究センター講師。
中医学の有効性に着目し、婦人科分野での中西医結合治療の発展にも力を注ぐ。
***********************************
別府先生のご講演の内容は、大きく分けて3つでした。
■女性の月経・妊娠の仕組み
■不妊症の原因
■不妊症とホルモン異常の治療と漢方
まずは、女性の月経・妊娠の仕組みについて。
脳の視床下部−脳下垂体−卵巣系(性腺軸)が、女性の性成熟期を支配し、初潮・月経・妊娠・出産・授乳・閉経を司っています。
月経の仕組みとしては、脳からホルモンの指令が出て、卵巣に働き、卵胞が育つと共に【エストロゲン】が増え子宮内膜が増殖、排卵後【プロゲステロン】が出されてその子宮内膜を更にふわふわにしていく働きがある。その両方が下がると次の月経が来るというシステムです。
不妊症の原因としては、
■女性不妊
■男性不妊
■原因不明不妊 があり、複合的に要因を持つものが多いとされています。
女性不妊の原因は
◆卵胞発育障害と排卵障害(卵巣の問題)
◆卵管性不妊(卵管の問題)
◆子宮性不妊と着床障害間脳(子宮・子宮内膜の問題)
◆子宮内膜症や子宮筋腫などの器質的な原因 が挙げられます。
卵巣の問題には性腺軸の異常や、内分泌異常(高プロラクチン血症など)、卵の異常(早発閉経や多嚢胞性卵巣症候群[PCOS])があり、対策としては、薬物療法や外科療法が用いられます。
卵管性不妊はクラミジアやトラコマティスが臨床上ではよく見られ、甘く見ないで治療する事。
子宮性不妊・内膜症などに関しては、外科的な手術や薬物療法などが用いられます。
男性不妊に関しては、
精索静脈瘤や精管閉塞症、感染症などは容易かつ有効に治療が可能だが、乏精子症や無精子症などに関しては生殖補助医療(ART)に進むほうがよいでしょうとのことでした。
また、西洋医学治療のメリットとデメリット、漢方薬との併用にも触れられました。
排卵誘発剤として広く使われているクロミフェン療法(クロミッド・セキソビットなど)の
副作用として、
●子宮内膜が薄くなる
●頚管粘液が減る
●排卵率は上昇させるが、妊娠力は低下する 事を挙げられ、
漢方を使う事によって副作用の緩和と、気滞や高プロラクチン血症の緩和が出来る。
hMG-hCG療法時には、「積極的な中医周期療法を併用すべきである」と強く述べられていました。
また、ブロモクリプチン療法(高プロラクチン血症)には、臨床経験として炒麦芽や芍薬甘草湯などの漢方薬が有効であった。
西洋医学と中医学を融合した治療で、成功率を上げる。最先端の医療と漢方での身体づくりを融合し、妊娠力を高めるよう説かれておられました。
西洋医学と中医学の両方をを研究されておられる別府先生ならではの貴重なご経験をお話し頂きました。
演題:「西洋医学の不妊治療と漢方の活用」

東京医科歯科大学医学部卒。医学博士。
日本産科婦人科学会専門医。同大附属病院病棟医長、日本女性心身医学会幹事・評議員を歴任、現在、東京医科歯科大学・医歯学教育システム研究センター講師。
中医学の有効性に着目し、婦人科分野での中西医結合治療の発展にも力を注ぐ。
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別府先生のご講演の内容は、大きく分けて3つでした。
■女性の月経・妊娠の仕組み
■不妊症の原因
■不妊症とホルモン異常の治療と漢方
まずは、女性の月経・妊娠の仕組みについて。
脳の視床下部−脳下垂体−卵巣系(性腺軸)が、女性の性成熟期を支配し、初潮・月経・妊娠・出産・授乳・閉経を司っています。
月経の仕組みとしては、脳からホルモンの指令が出て、卵巣に働き、卵胞が育つと共に【エストロゲン】が増え子宮内膜が増殖、排卵後【プロゲステロン】が出されてその子宮内膜を更にふわふわにしていく働きがある。その両方が下がると次の月経が来るというシステムです。
不妊症の原因としては、
■女性不妊
■男性不妊
■原因不明不妊 があり、複合的に要因を持つものが多いとされています。
女性不妊の原因は
◆卵胞発育障害と排卵障害(卵巣の問題)
◆卵管性不妊(卵管の問題)
◆子宮性不妊と着床障害間脳(子宮・子宮内膜の問題)
◆子宮内膜症や子宮筋腫などの器質的な原因 が挙げられます。
卵巣の問題には性腺軸の異常や、内分泌異常(高プロラクチン血症など)、卵の異常(早発閉経や多嚢胞性卵巣症候群[PCOS])があり、対策としては、薬物療法や外科療法が用いられます。
卵管性不妊はクラミジアやトラコマティスが臨床上ではよく見られ、甘く見ないで治療する事。
子宮性不妊・内膜症などに関しては、外科的な手術や薬物療法などが用いられます。
男性不妊に関しては、
精索静脈瘤や精管閉塞症、感染症などは容易かつ有効に治療が可能だが、乏精子症や無精子症などに関しては生殖補助医療(ART)に進むほうがよいでしょうとのことでした。
また、西洋医学治療のメリットとデメリット、漢方薬との併用にも触れられました。
排卵誘発剤として広く使われているクロミフェン療法(クロミッド・セキソビットなど)の
副作用として、
●子宮内膜が薄くなる
●頚管粘液が減る
●排卵率は上昇させるが、妊娠力は低下する 事を挙げられ、
漢方を使う事によって副作用の緩和と、気滞や高プロラクチン血症の緩和が出来る。
hMG-hCG療法時には、「積極的な中医周期療法を併用すべきである」と強く述べられていました。
また、ブロモクリプチン療法(高プロラクチン血症)には、臨床経験として炒麦芽や芍薬甘草湯などの漢方薬が有効であった。
西洋医学と中医学を融合した治療で、成功率を上げる。最先端の医療と漢方での身体づくりを融合し、妊娠力を高めるよう説かれておられました。
西洋医学と中医学の両方をを研究されておられる別府先生ならではの貴重なご経験をお話し頂きました。